東大理系数学 2025-1
(1)点$U_t$の座標を求めよ。
(2)$t$が$0\leqq t\leqq 1$の範囲を動くときに点$U_t$が描く曲線と、線分$AD$で囲まれた部分の面積を求めよ。
(3)$a$を$0 < a < 1$を満たす実数とする。$t$が$0\leqq t \leqq a$の範囲を動くときに点$U_t$が描く曲線の長さを、$a$の多項式の形で求めよ。
方針、略解
(1)頑張って計算。一応、$t=0,1$で$U_t$が$A,D$に重なることや、$t\rightarrow 1-t$で$U_t$の$y$座標が不変かつ$x$座標は$x=\frac12$について反対に移ることを使って検算できる。
(2)典型的なパラメータ積分。$\frac{dx}{dt}\geqq0$の確認は怠らぬよう...。
(3)$\sqrt{dx^2+dy^2}$を積分 → 根号を外す
(問題文に「$a$の多項式の形で求めよ」とあるので、$\frac{d}{dx}\int_0^a f(x)dx=f(x)$を考えるとインテグラルの中身も多項式でなければならない。つまり根号は必ず外れる)
動く図解
問題の背景
この「内分点の内分点の...」という操作を繰り返して得られる曲線は、一般にベジェ曲線[Bezier curve]という名称が付けられています。(※特に、この内分点の繰り返し操作のことをド・カステリョのアルゴリズムというそうです) コンピューターグラフィックスをはじめとする様々な場面で使われる曲線です。例えば、いわゆる「ベクター画像」はこの方法を応用して曲線の情報を保存しているそうです。あとは、3Dゲーム等のアニメーションにおいて、カメラの座標をなめらかに移動させるときにも使われます。
点の数を5個にしたものを掲示しておきます。(触って動かせます)
ベジェ曲線のように「いくつかの点の間を補間する曲線」はスプライン曲線と呼ばれ、他にもたくさんの種類があります。これについては下のFreya Holmér氏の動画が詳しいです。後半で行列が出てきますが、高校範囲で全然理解できると思います。とても分かりやすいのでぜひ視聴してみてください!