東大理系数学 2025-6
複素数平面上の点 $\frac12$ を中心とする半径 $\frac12$ の円の周りから原点を除いた曲線を $C$ とする。
(1)曲線 $C$ 上の複素数 $z$ に対し,$\frac{1}{z}$ の実部は $1$ であることを示せ。
(2)$\alpha,\ \beta$ を曲線 $C$ 上の相異なる複素数とするとき,$\frac{1}{\alpha^2}+\frac{1}{\beta^2}$ がとりうる範囲を複素数平面上に図示せよ。
(3)$\gamma$ を (2) で求めた範囲に属さない複素数とするとき,$\frac{1}{\gamma}$ の実部がとりうる値の最大値と最小値を求めよ。
方針、略解
(1)反転の問題。極座標表示が最速。
(2)(1)を使いつつ、対称式の同値変形。真髄をやっている人は慣れてそう
(3)2022年度の数C課程復活に合わせた出題。2次曲線の極方程式を利用する。
動く図解
「反転」の図解です。(本問は$\frac1z$となっているが、反転はさらにその複素共役を取ったものになる)
半径$\frac12$の円の中心を動かせます。$(\frac12,0)$にもっていくと境界が直線になるのが分かると思います。
本問(2)も一応可視化しておきました。$\alpha$と$\beta$を動かせます。
問題の背景
$z$がある曲線上をうごくときに$\frac1z$の存在範囲を考える問題【反転変換の問題】は、多くの入試問題で見かけます。東大の過去問(2017,2018など)でも定期的に見かけるので、メジャーな問題は何となく思い出せる程度にしておくと便利かと思います。
復習がてら、反転以外も色々入れたクイズを置いておきます。いずれも入試では頻出ですので、ぜひ挑戦してみてください。
軌跡の名前と概形を求めよ。
★Level1:基本
(1) $|z-1|=1$のときの、$\frac1z, \ z^2, \ \frac{1}{z^2}$の軌跡
(2) $Re(z)=1$のときの、$\frac1z, \ z^2, \ \frac{1}{z^2}$の軌跡
(3) $Im(z)=1$のときの、$\frac1z, \ z^2, \ \frac{1}{z^2}$の軌跡
★★Level2:標準
(4) $Re(z)+Im(z)=1$のときの、$\frac1z, \ z^2, \ \frac{1}{z^2}$の軌跡
(5) $|z|=1$のときの、$z+\frac1z$の軌跡
(6) $|z|=2$のときの、$z+\frac1z$の軌跡
★★★Level3:発展
(7) $|z+\bar{z}-1|=2|z|$のときの、$\frac1z$の軌跡
(8) $|Re(z)|+|Im(z)|=1$のときの、$\frac1z, \ z^2, \ \frac{1}{z^2}$の軌跡
(9) $\big||z-1|-|z+1|\big|=\sqrt2$のときの、$\frac1z, \ z^2, \ \frac{1}{z^2}$の軌跡
★★★★(オマケ:難問)
(10) $|z|=\sqrt2$のときの、$z+1+\frac{1}{z+1}$の軌跡
類題紹介
(1) $w=\frac{1}{\overline{z}}$ となることを示せ。
(2) $P(z)$ が $\triangle ABC$ の周上を動くとき,$Q(w)$ が描く図形によって囲まれた部分の面積 $S$ を求めよ。
(東京慈恵会医大2019)